インターネットが普及してからモノを売る時にECというフレーズを必ず耳にするようになりました。ECはメーカーや店舗経営者にとって新しい販売チャンネルとして活用しないと生き残れないほど重要な存在になりつつあります。ここではECの基本をご紹介していきます。
ECとは
越境ECにご興味をお持ちの方にECの説明は不要かもしれませんが、ECとは"electronic commerce"の略で日本語に訳すと電子商取引です。また別の表現としてeコマースと呼ばれることもあります。わかりやすくいうとインターネットを通じて商品やサービスを販売することで、身近なところでは楽天やAmazonなどのネットショップがECに該当します。
ECの市場規模
EC市場はインターネットとスマートフォンの普及により、世界中で拡大しています。経産省のレポートでは、世界のBtoCのEC市場の規模は2018年において2.84兆ドル(306兆円)で2021年には4.88兆ドル( 527兆円)まで拡大し、小売市場全体に占めるEC市場の割合は、2018年の10.2%から2021年には17.2%にまで拡大すると見込まれています。下記の表は世界のECの市場規模の推移です。
ランク | 国名 | 市場規模 | 対前年比 |
---|---|---|---|
1 | 中国 | 165兆円 | +36.9% |
2 | アメリカ | 56兆円 | +15% |
3 | イギリス | 13兆円 | +9.8% |
4 | 日本 | 11兆円 | +14.7% |
5 | 韓国 | 8兆円 | +19.7% |
6 | ドイツ | 7.8兆円 | +11.5% |
7 | フランス | 6.2兆円 | +18% |
8 | カナダ | 4.8兆円 | +30% |
9 | インド | 3.5兆円 | +52% |
10 | ブラジル | 2.7兆円 | +21.5% |
国別のEC市場規模では中国とアメリカが他を圧倒していますが、中国はアメリカに対しても約3倍の規模となっています。前年比でも多くの国が2桁成長を遂げていますが、中国は規模だけでなく成長率の高さもトップクラスです。このデータから市場規模、成長率の両面で中国のEC市場が魅力的であることがわかります。
越境ECとは
越境ECとはその名の通り、境を越えてECで取引することですが、この境は国のことです。例をあげると日本からアメリカのamazonが運営するamazon.comで日本未発売の商品を購入するのは越境ECに該当します。
日本では個人が海外から商品を購入するのは、一般的ではありません。調査会社の報告では日本で1年内に越境ECを利用した越境ECユーザーの割合は10%程度でしたが、中国では40%を超えており、一般的になりつつあります。
下記の表はアメリカ・中国の消費者による日本からの越境ECの購入額の推計です。2021年には4兆円規模まで拡大すると予測されています。
上記グラフからもわかるように越境ECで日本製品を購入していく中国人消費者が増えています。中国の消費者はインバウンドの爆買いが象徴するように日本ブランドへの信頼が根強く、中国内ECで日本製品の占める割合はトップです。
中国の消費者の最近の傾向として日本へ来日して買物をするインバウンド需要が一服したのに対し、中国内からECサイトを通じて日本製品を購入する越境ECユーザーは年々増加しています。現在では越境ECがインバウンドを上回る市場規模にまで成長し、今後も高い伸びが予想されています。中国向けの越境ECは飽和状態の国内市場で伸び悩む日本企業の成長に最高のステージとなっています。
越境ECだからできる中国出店
中国で商品を販売してみたいけど、何から手を付けていいのかわからない、中国語や中国の商慣習がわからない、大変そうだと漠然と思われる方がほとんどです。
それはあながち間違っておらず、中国内の実店舗へ商品を流通させるには許認可などの手続きを行って商品を中国へ輸出し、倉庫とオフィスを借り、人を雇い、店舗との商談・発送・販売後のフォロー、さらに商品の広告宣伝など煩雑な多くの作業が必要となり、中小の企業にとってハードルが高いのが現実です。
しかし越境ECなら比較的コストをかけずに商品を販売することが可能です。越境ECにはいくつかパターンがあり、単独で自社の中国販売向けのECサイトを立ち上げる方法もありますが、楽天が運営するRakuten Global Marketなど日本国内の越境ECモールに出店する方法と中国内のECモールに出店する方法が一般的です。売上を期待するなら集客力のある中国内のECモールへの出店がおすすめです。中国内の大手ECモールでは海外企業の出店を促す施策がとられており、日本企業向けの越境EC専用モールも準備されています。
ただし、いくら越境ECのプラットフォームが整備されていても中国人ユーザーに向けた施策は自ら行う必要があります。
SHBは中国内のECモールへ出店を支援します。海外展開がはじめてのかたでも商品と宣材を用意していただくだけで中国内EC出店手続きから店舗デザイン、商品ページ作成、お問い合わせへの対応など店舗運営までお任せいただけます。
Q&A
SHBへいただいたご質問の中から中国越境ECサービスについて多くいただいた事項をまとめさせていただきました。
はい。ECに必要なトップページ、商品ページ、インフォメーションページなど中国人ユーザーの感性がわかる中国支社のスタッフが制作します。日本語の原稿から中国語へ翻訳してコピーや商品説明などを制作しますので、ベースとなる宣材をいただく必要がございます。
運営サイトの経験を活かし、ショップ戦略・最適なプロモーションのご提案や効果測定を行い、お手伝いさせていただきます。
出店に当たっての必要な準備や審査・手続きなどがお客様ごとに異なりますので、一概にお答えすることができません。個別にご相談させていただくことになりますが、最短でも2カ月はかかると想定しただくとよいと思います。
日本国内から中国へ発送する場合、弊社指定の東京の倉庫へお送りください。また在庫量にもよりますが、中国の弊社の倉庫に置くことも可能です。